メインコンテンツへスキップ
甲状腺・ミネラル

ヨウ素の過剰摂取はどこから?昆布だしと甲状腺の注意点

この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になる必須ミネラルで、成人の1日推奨量はわずか130μgです。ところが昆布には100gあたり数万〜20万μgものヨウ素が含まれており、日本人は海藻をよく食べる食文化のため、世界的に見てもヨウ素摂取量が多い国民として知られています。不足よりもむしろ「昆布だしの摂りすぎ」による過剰摂取が問題になりやすいのが日本の食生活の特徴です。この記事では日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の実測データをもとに、ヨウ素が多い食品をランキング形式で紹介し、耐容上限量と過剰摂取を避けるための注意点を数値とともに解説します。数値はすべて可食部100gあたりです。

含有量の全順位は ヨウ素が多い食品 TOP100 で確認できます。

広告

ヨウ素はなぜ必要なミネラルなのか

ヨウ素は甲状腺でつくられるホルモン(T3・T4)の構成成分で、基礎代謝の調整、成長、脳・神経の発達に関わっています。体内のヨウ素の大部分は甲状腺に集められ、ホルモン合成に使われます。

不足すると甲状腺ホルモンの産生が滞り、それを補おうと脳下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が過剰に分泌され、甲状腺が腫れる「甲状腺腫」を招くことがあります。世界的にはヨウ素不足が公衆衛生上の課題になっている地域も多くありますが、海に囲まれ海藻を日常的に食べる日本では不足はまれです。

食事摂取基準(2020年版)による1日の推奨量は成人男女ともに130μgです。一方で耐容上限量は成人3,000μgと定められており、推奨量の約23倍という開きの大きさが、ヨウ素という栄養素の特徴を表しています。

広告

ヨウ素含有量一覧と一食分の換算

含有量が突出して高いのは昆布類です。まこんぶ(素干し・乾)は100gあたり200,000μgと、推奨量(130μg)の1,500倍以上に達します。刻み昆布は230,000μg、昆布の佃煮でも11,000μgと、乾物・加工品を問わず極めて高い数値です。

ひじき(ほしひじき・乾)は45,000μg、あおのり(素干し)は2,700μg、焼きのりは2,100μgと、昆布ほどではないものの海藻類全般に多く含まれます。生わかめ(原藻・生)は1,600μgで、水戻し後の乾燥わかめは1,300μg程度です。

液体だしにもヨウ素は溶け出します。昆布だし(水出し)は100gあたり5,300μg、煮出しでは11,000μgに達し、みそ汁1杯(だし150mL程度)でも数千μgのヨウ素を摂取する計算になります。乾物そのものを食べる量は少なくても、だしとして毎日使う習慣は摂取量を押し上げやすい点に注意が必要です。

ヨウ素が多い食品(可食部100gあたり、日本食品標準成分表八訂より)

過剰摂取のリスクと昆布だしの注意点

ヨウ素の耐容上限量は成人で3,000μg/日です。昆布そのものを毎日大量に食べることは少ないものの、昆布だしを毎食のように使う、昆布茶を習慣的に飲む、とろろ昆布をおにぎりや汁物に頻繁に使うといった食習慣が重なると、上限量を超えることがあります。

過剰摂取も甲状腺機能に影響を与えることがあり、甲状腺機能低下症や甲状腺腫を引き起こす可能性が報告されています。健康な人では一時的な過剰摂取は甲状腺の自己調節機能(Wolff-Chaikoff効果)によって影響が抑えられますが、橋本病・バセドウ病など甲状腺疾患がある方は過剰摂取の影響を受けやすいため注意が必要です。

対策としては、昆布だしを毎日使う場合は他のだし(かつお節・煮干し)と組み合わせて頻度を分散させる、昆布そのものを主菜として大量に食べる習慣を避ける、といった工夫が現実的です。極端な除去は不要ですが「摂りすぎない」意識が重要な栄養素といえます。

妊娠中・甲状腺疾患がある人の摂り方

ヨウ素は胎児の脳・神経系の発達に不可欠なため、妊婦の推奨量は240μgと通常より高めに設定されています。ただし過剰摂取も胎児の甲状腺機能に影響するとされており、昆布だしを日常的に大量に摂ることは避け、わかめ・のりなど中程度のヨウ素量の海藻を適量とる食べ方がすすめられます。

甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病など)で治療中の方は、ヨウ素の摂取量が症状に影響することがあるため、昆布・海藻の摂取量について自己判断せず主治医の指示に従ってください。健康診断で甲状腺の数値を指摘されたことがある方も、同様に医師へ相談するのが安全です。

まとめ

ヨウ素は不足よりも過剰摂取のリスクに注意すべき栄養素です。昆布・ひじき・のりなど海藻類には非常に多く含まれるため、含有量を把握したうえで、昆布だしを毎日大量に使うような偏った摂り方を避けることが大切です。

amazonアソシエイト

ヨウ素の過剰摂取はどこから?昆布だしと甲状腺の注意点」に関連する商品をチェックヨウ素豊富

※ Amazonアソシエイト参加中。当リンク経由の購入でサイト運営を支援できます。

よくある質問(FAQ)

Q. ヨウ素が最も多い食品は何ですか?
まこんぶ(素干し・乾)が100gあたり200,000μgと突出して多く、刻み昆布は230,000μgとさらに高い数値です。次いでひじき(ほしひじき・乾)が45,000μgと続きます。いずれも乾物のため、実際に一度に食べる量は数g〜十数g程度です。
Q. 昆布だしを毎日飲んでも大丈夫ですか?
昆布だし(煮出し)は100gあたり11,000μgのヨウ素を含み、みそ汁1杯分でも数千μgを摂取する計算になります。耐容上限量(成人3,000μg/日)を踏まえると、毎食昆布だしのみを使う習慣は摂りすぎにつながる可能性があります。かつお節や煮干しのだしと組み合わせて頻度を分散させるのがおすすめです。
Q. わかめやのりも昆布と同じくらいヨウ素が多いですか?
昆布ほどではありませんが、わかめ(原藻・生)で100gあたり1,600μg、焼きのりで2,100μg含まれており、通常の食事量であれば過剰摂取を心配する必要はほとんどありません。特に懸念が大きいのは、含有量が桁違いに高い昆布・昆布だし・昆布茶を習慣的に大量摂取するケースです。

関連する栄養素ランキング

※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。

関連記事

← コラム一覧へ