ビタミンKは納豆1パックでどれだけ?含有量と薬との注意点
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。
ビタミンKは血液を固める凝固因子と、骨のたんぱく質オステオカルシンの働きに欠かせない脂溶性ビタミンです。成人の1日の目安量は男女とも150μgで、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年で見ると、糸引き納豆は100gあたり870μg、1パック(45g)でも約390μgと、目安量の2.6倍を一度に摂れます。ほうれん草(ゆで)のおひたし1皿(80g)も約260μgあります。健康な人にとっては不足しにくく、摂りすぎの害も知られていない栄養素ですが、血栓を防ぐ薬ワルファリン(ワーファリン)を飲んでいる人にとっては、食べる量が薬の効き目を左右します。この記事では、身近な食品の一食分あたりのビタミンK含有量と、K1とK2の違い、薬を飲んでいる人が気をつけたい量の考え方を、成分表の数値で整理します。
含有量の全順位は ビタミンKが多い食品 TOP100 で確認できます。
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納豆1パックでビタミンKはどれくらい摂れる?
納豆は、食品の中でも飛び抜けてビタミンKが多い食品です。100gあたりで糸引き納豆870μg、挽きわり納豆930μg。1パック(45g)に直すと糸引きで約390μg、挽きわりで約420μgになり、どちらも1パックで1日の目安量150μgを大きく超えます。
納豆のビタミンKは、大豆そのものではなく発酵させる納豆菌が作るものです。ゆでた大豆(黄大豆)は100gあたり7μgしかなく、同じ大豆製品でも木綿豆腐は6μg、豆乳は4μg。大豆製品だからビタミンKが多いわけではなく、「納豆だけが別格」と覚えておくと判断を誤りません。
なお、成分表のビタミンKは植物に多いK1(フィロキノン)と、納豆菌や動物性食品に含まれるK2(メナキノン類)の合計値です。納豆のK2(メナキノン-7)は体内に長くとどまる性質があるとされ、これがワルファリンとの関係で納豆が特に問題になる理由の一つです。
納豆と大豆製品のビタミンK(100gあたり、日本食品標準成分表八訂より。かっこ内は一食分の換算)
- ✓糸引き納豆— 870μg(1パック45gで約390μg)
- ✓挽きわり納豆— 930μg(1パック45gで約420μg)
- ✓だいず 黄大豆 ゆで— 7μg(50gで約4μg)
- ✓木綿豆腐— 6μg(1/3丁100gで6μg)
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青菜・ブロッコリー・海藻は一食分でどれくらい?
納豆の次にビタミンKの供給源になるのが、色の濃い葉物野菜です。100gあたり(ゆで)でほうれん草320μg、こまつな320μg、しゅんぎく460μg、モロヘイヤ450μg、にら330μg。おひたし1皿(80g)にすると、ほうれん草・こまつなは約260μg、しゅんぎくは約370μgで、納豆1パックに近い量になります。
淡色の野菜は桁が下がります。ブロッコリー(ゆで)は100gあたり190μgで、小房4〜5個(50g)なら約95μg。キャベツ(生)は79μgで、千切り1皿(50g)で約40μg、結球レタス(土耕)は29μgで、サラダ1皿(30g)では約9μgです。同じ「野菜」でも、葉の緑が濃いほど多いと考えてください。
海藻は乾物の数値が大きく見えますが、1回に使う量はわずかです。カットわかめ(乾)は100gあたり1,600μgでも、みそ汁1杯分(2g)では約32μg。焼きのりは390μgで、全形1枚(3g)は約12μgです。ひじき(乾)580μgも、戻して煮物1皿に使う乾物10gでは約58μgにとどまります。
緑茶・抹茶・青汁は飲んでも大丈夫?
成分表の茶葉そのものは、ビタミンKが非常に多い食品です。100gあたりで玉露(茶)4,000μg、抹茶2,900μg、ほうじ茶(茶)2,000μg、せん茶(茶)1,400μg。この数字だけを見ると緑茶は避けるべきに見えますが、ビタミンKは脂溶性で湯にはほとんど溶け出しません。
実際に飲む浸出液は、せん茶・玉露ともに「Tr(微量)」、ほうじ茶は0です。急須で淹れた緑茶を普通に飲むぶんには、ビタミンKの摂取源にはなりません。注意したいのは、茶葉を丸ごと摂る抹茶です。抹茶1杯分(2g)で約58μg、抹茶ラテやお菓子でも量が重なれば無視できなくなります。
青汁は粉末で100gあたり1,500μg(ケール)あり、1杯分を3gとすると約45μgです。量としては納豆やおひたしより少ないものの、毎日飲む習慣になりやすく、ワルファリンの添付文書や服薬指導でも納豆・クロレラと並んで控える食品に挙げられることが多い食品です。
ワルファリンを飲んでいる人は、何をどれだけ控える?
ワルファリンは、肝臓でビタミンKが凝固因子を働かせる仕組みを抑えて、血液を固まりにくくする薬です。食事からビタミンKが多く入ると薬の効き目が弱まり、血栓を防ぐ効果が下がります。そのため、医師は血液検査(PT-INR)を見ながら、その人の食事に合わせて薬の量を調整しています。
一般的な指導は、食品によって考え方が分かれます。納豆は1パックで約390μgと量が多いうえ、納豆菌が腸内でビタミンKを作り続けるとされるため、少量でも避けるよう指示されるのが普通です。青汁・クロレラも同じ扱いです。一方、ほうれん草やブロッコリーなどの野菜は禁止ではなく、「毎日の量を大きく変えない」ことが求められます。急におひたしを何皿も食べたり、逆に野菜を極端に減らしたりすると、検査値がぶれます。
なお、ダビガトラン・リバーロキサバン・アピキサバン・エドキサバンなど、ワルファリン以外の抗凝固薬(DOAC)はビタミンKを介さない仕組みのため、食事の制限は通常求められません。自分が飲んでいる薬がどちらか、食事で何を控えるかは、必ず主治医・薬剤師の指示に従ってください。この記事の数値は量の目安を知るためのもので、指示に代わるものではありません。
まとめ
ビタミンKは納豆1パック(約390μg)やおひたし1皿(約260μg)で1日の目安量150μgを超えるほど身近な栄養素で、健康な人は不足を心配する必要がほとんどありません。ワルファリンを飲んでいる人は納豆・青汁を避け、野菜は毎日の量を一定に保つことが基本です。
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よくある質問(FAQ)
- Q. 納豆1パックのビタミンKはどれくらいですか?
- 日本食品標準成分表(八訂)では、糸引き納豆は100gあたり870μgで、1パック(45g)に換算すると約390μgです。挽きわり納豆は100gあたり930μgで、1パックでは約420μgになります。成人の1日の目安量は150μgなので、1パックで目安量の2.6〜2.8倍を摂れる計算です。健康な人では過剰症は知られておらず、耐容上限量も設定されていません。
- Q. ワルファリンを飲んでいても緑茶は飲めますか?
- 茶葉そのものはビタミンKが多い(せん茶の茶葉で100gあたり1,400μg)ものの、急須で淹れた浸出液は成分表で「Tr(微量)」、ほうじ茶は0です。普通に淹れた緑茶を飲むぶんにはビタミンKの摂取源になりません。ただし茶葉を丸ごと摂る抹茶は1杯分(2g)で約58μgあるため、毎日大量に摂る場合は主治医・薬剤師に相談してください。
- Q. ビタミンK1とK2はどう違いますか?
- K1(フィロキノン)は緑の葉物野菜や植物油に多く、K2(メナキノン類)は納豆や肉・卵・チーズなどに含まれます。納豆のK2(メナキノン-7)は特に多く、体内に長くとどまるとされます。成分表のビタミンKはK1とK2の合計値で、ほうれん草(ゆで)320μgはほぼK1、糸引き納豆870μgはほぼK2です。どちらもワルファリンの効き目に影響します。
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※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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