日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。
カリウムは体内の水分バランス・神経伝達・筋肉収縮に関わる必須ミネラルで、特にナトリウムの排泄を促進して血圧を下げる働きが重要です。日本人の食事摂取基準2020年版では成人男性の目標量3,000mg、女性2,600mgが設定されていますが、現代の食生活では摂取量が不足しがちです。塩分(ナトリウム)過多・カリウム不足という組み合わせが、日本人の高血圧リスクを高める大きな要因の一つとなっています。
カリウムはナトリウムと拮抗する関係にあり、腎臓でのナトリウム再吸収を抑制することで尿中へのナトリウム排泄を促し、血圧を下げます。DASH食(野菜・果物・全粒穀物を中心とした食事パターン)はカリウムが豊富で、高血圧の予防・改善に役立つ可能性を示す研究が複数報告されています。
カリウムはむくみ(浮腫)の解消にも関わります。細胞内の水分バランスを整えるカリウムが不足すると、細胞外(血管・組織間)に水分が貯留してむくみやすくなります。長時間のデスクワーク・塩分の多い食事の後のむくみ対策として、カリウム豊富な食品(バナナ・アボカド・ほうれん草)の摂取が有効です。
ただし腎臓機能が低下している方はカリウムを排泄する能力が低下しており、高カリウム血症(不整脈・心停止のリスク)に注意が必要です。腎臓病・慢性腎不全の方はカリウム制限が指示される場合があり、必ず医師・管理栄養士の指導に従ってください。
カリウムは野菜・果物・豆類・いも類に豊富に含まれています。
可食部100gあたりのカリウム含有量が多い代表的な食品
高血圧予防・改善のための食事戦略は「塩分を減らす」と「カリウムを増やす」の両輪です。日本人の平均食塩摂取量は男性約10.9g、女性約9.3gと推奨の6〜7g未満を大幅に上回っており、加工食品・外食の頻度を減らすことが減塩の第一歩です。
野菜・果物を毎食1品以上増やすことはカリウム摂取増加と塩分摂取の自然な抑制の両方に効果があります。ラーメン・漬物・梅干し・醤油などの高塩分食品を減らし、野菜炒め・蒸し野菜・果物などを増やす食事パターンが血圧管理に有効です。
カリウムは茹でることで30〜50%が湯に溶け出します。腎臓病でカリウム制限が必要な方は茹でこぼし(茹でて湯を捨てる)でカリウムを減らせますが、通常の方は蒸す・電子レンジ加熱の方がカリウムをより多く摂取できます。
カリウムは野菜・果物・いも類を積極的に食事に取り入れることで自然に補えます。毎食の副菜に緑葉野菜を加え、間食にバナナやさつまいもを選ぶ習慣が血圧管理とむくみ解消に役立ちます。腎臓に問題がある方はカリウム摂取について必ず医師に相談してください。
※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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