同じ脂質量でも質が違う|飽和・不飽和脂肪酸の見分け方
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。
「脂質は太る」というイメージから避けたくなりますが、実際に問題になるのは量よりも「種類」です。日本人の食事摂取基準では脂質のエネルギー比率20〜30%を目標としており、2000kcalの食事なら約49〜74gが目安になります。この記事では日本食品標準成分表(八訂)増補2023年のデータをもとに、脂質が多い食品ランキングとコレステロールが多い食品ランキングを紹介しながら、飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸の違いと食事への取り入れ方を数値つきで解説します。
含有量の全順位は 脂質が多い食品 TOP100 で確認できます。
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脂質含有量TOP8と脂肪酸の内訳
可食部100gあたりの脂質量で見ると、上位には食用油・バター・ナッツ類が並びます。ただし脂質量が多い=体に悪いわけではなく、オリーブ油やくるみのように不飽和脂肪酸が中心の食品も同じランキング上位に入ります。含有量だけでなく脂肪酸の種類を確認することが選び方のポイントです。
動物性の脂(ラード・バター)は飽和脂肪酸の比率が高く、摂りすぎるとLDL(悪玉)コレステロールの上昇につながります。一方、オリーブ油・えごま油・くるみ・アーモンドは不飽和脂肪酸が中心で、量を意識しつつ日常的に取り入れやすい食品です。
脂質が多い食品ランキング(可食部100gあたり、日本食品標準成分表八訂より)
- ✓ラード(動物油脂類)— 脂質100g・885kcal・コレステロール100mg。飽和脂肪酸が多く使用量に注意
- ✓オリーブ油— 脂質100g・894kcal。一価不飽和脂肪酸が中心。大さじ1杯(12g)で約107kcal
- ✓えごま油— 脂質100g・897kcal。植物性オメガ3(αリノレン酸)が豊富、加熱せず使う
- ✓マーガリン(家庭用・有塩)— 脂質83.1g・715kcal・コレステロール5mg。トランス脂肪酸を含む製品もあるため表示を確認
- ✓無発酵バター(有塩)— 脂質81.0g・700kcal・コレステロール210mg。大さじ1杯(12g)で脂質約9.7g
- ✓くるみ(いり)— 脂質68.8g・713kcal。植物性オメガ3が豊富。5粒(15g前後)で脂質約10g
- ✓アーモンド(いり・無塩)— 脂質54.1g・608kcal。一価不飽和脂肪酸・ビタミンEが豊富な間食向き食品
- ✓アボカド(生)— 脂質17.5g・176kcal・コレステロールTr。1/2個(70g)で脂質約12g
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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、何が違う?
「飽和脂肪酸」は肉の脂・バター・ラード・ヤシ油・パーム油などに多く含まれ、摂りすぎると血中LDLコレステロールを上昇させ動脈硬化や冠動脈疾患のリスクを高めます。食事摂取基準では飽和脂肪酸をエネルギー比7%以下に抑えることが目標とされています。
「不飽和脂肪酸」のうち一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)はオリーブ油・アボカドに多く、LDLコレステロールを下げつつHDLコレステロールを維持する効果が期待されています。多価不飽和脂肪酸のオメガ3(さば・いわしなどの青魚のEPA・DHA、えごま油・あまに油のαリノレン酸)は血液をサラサラに保つ働きが研究されています。
「トランス脂肪酸」はマーガリン・ショートニング・市販の菓子やフライ製品に含まれることがある脂肪酸で、LDLを上げHDLを下げる二重の悪影響があります。WHOは食品からの排除を推進しており、原材料表示で「加工油脂」「ショートニング」の記載がある製品は摂りすぎに注意が必要です。
コレステロールとの正しい付き合い方
コレステロールが多い食品には卵・魚卵・レバーが並びます。日本人の食事摂取基準2020年版では、食事からのコレステロール摂取の上限値が撤廃されました。血中コレステロール値に影響するのは主に飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の摂取量であり、コレステロールを多く含む食品を一律に避ける必要はないとされています。
ただし脂質異常症(高LDLコレステロール血症)と診断されている方は、コレステロールを多く含む食品の摂取量に配慮が必要な場合があります。個人差があるため、指摘を受けている方は医師・管理栄養士に相談して調整してください。
コレステロールが多い食品ランキング(可食部100gあたり)
- ✓しろさけ すじこ— コレステロール510mg・脂質17.4g・263kcal。魚卵の中でも高い数値
- ✓しろさけ イクラ— コレステロール480mg・脂質15.6g・252kcal。塩分も高めなので量に注意
- ✓鶏卵(全卵・生)— コレステロール370mg・脂質10.2g・142kcal。1個(50g)で約185mg・脂質約5.1g
- ✓にわとり 肝臓(生)— コレステロール370mg・脂質3.1g・100kcal。低脂質だが鉄・ビタミンAも豊富
- ✓無発酵バター(食塩不使用)— コレステロール220mg・脂質83.0g・720kcal。使用量を大さじ単位で管理しやすい
脂質は1日どれくらい摂ればいい?食事への取り入れ方
食事摂取基準では脂質のエネルギー比率20〜30%が目標です。1日2000kcalの食事なら脂質量はおよそ49〜74g、うち飽和脂肪酸はエネルギー比7%以下(約15.6g以下)に抑えるのが目安になります。外食や加工食品が続く日は揚げ物・菓子パンで飽和脂肪酸・トランス脂肪酸が積み重なりやすいため、意識的に調整することが大切です。
具体的な置き換えとしては「バター大さじ1杯(12g)をオリーブ油に置き換える」「揚げ物より焼き・蒸し調理を選ぶ」「間食のスナック菓子をアーモンドやくるみ5粒(15g前後)に変える」といった工夫が有効です。魚を食べる頻度を週2〜3回に増やし、さばやいわしなど青魚からオメガ3脂肪酸を摂ることも心血管の健康維持に役立つとされています。
まとめ
脂質は量よりも種類を意識することが大切です。オリーブ油・青魚・ナッツ・アボカドを日常に取り入れ、動物性の脂やトランス脂肪酸を含む加工食品を摂りすぎないよう調整することで、心臓と血管の健康を守る食事に近づきます。
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よくある質問(FAQ)
- Q. 脂質は1日にどれくらい摂ればいいですか?
- 食事摂取基準では総エネルギーの20〜30%が目標です。1日2000kcalの食事であれば脂質はおよそ49〜74gが目安になります。うち飽和脂肪酸はエネルギー比7%以下(約15.6g以下)に抑えることが推奨されています。
- Q. コレステロールが多い食品(卵など)は食べてはいけませんか?
- 健康な方であれば1日1個程度の卵を含め、一律に避ける必要はありません。日本人の食事摂取基準2020年版では食事コレステロールの上限値が撤廃されており、血中コレステロールに影響するのは主に飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の摂取量です。ただし脂質異常症のある方は医師に相談してください。
- Q. 植物油ならどれを選んでも体に良いですか?
- いいえ。同じ植物油でもヤシ油・パーム油は飽和脂肪酸が多く、摂りすぎはLDLコレステロールを上げます。オリーブ油・えごま油・あまに油のように不飽和脂肪酸が中心の油を選ぶことが、脂質の質を高めるポイントです。
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※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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