日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。
肝臓は栄養素の代謝・解毒・胆汁産生など500種類以上の機能を担う臓器で、「沈黙の臓器」と呼ばれるほど不調が症状に出にくいのが特徴です。非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は日本の成人の約25〜30%が該当すると推定されており、お酒を飲まない人でも脂肪肝になり得ることが広く知られるようになっています。この記事では、肝臓の健康維持に関わる鉄・ビタミンB12・葉酸に注目し、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の実測値から含有量ランキングを紹介します。食事摂取基準の目安量や一食分の換算値もあわせて解説します。
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は肝細胞に中性脂肪が蓄積した状態で、主な原因は過剰なカロリー摂取・糖質(特に果糖)の過剰摂取・肥満・運動不足とされています。清涼飲料水・果物ジュース・お菓子に多く含まれる果糖(フルクトース)は肝臓で優先的に代謝されるため、摂り過ぎは中性脂肪合成を促進する要因になります。
アルコール性脂肪肝は飲酒量が多いほどリスクが高まるとされています。「節度ある適度な飲酒」の目安(1日純アルコール20g程度:ビール500mL・日本酒1合・ワイン2杯程度)を超える量を毎日飲み続けると、肝臓への負担が大きくなります。
脂肪肝は初期段階では自覚症状がほとんどなく、放置すると炎症(非アルコール性脂肪肝炎・NASH)や肝硬変に進行する可能性があるとされています。定期的な健康診断でALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP・腹部超音波検査を受け、早期に状態を把握することが重要です。
肝臓の働きを支える栄養素として、赤血球やエネルギー代謝に関わる鉄・ビタミンB12、細胞の生成に関わる葉酸が挙げられます。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の実測値から、これらを豊富に含む食品をランキング形式で紹介します。
可食部100gあたりの鉄・ビタミンB12含有量が多い食品(一部)
数値は100gあたりのため、実際に食べる量に換算すると感覚がつかみやすくなります。豚肝臓を1切れ(約40g)食べた場合、鉄は約5.2mg・ビタミンB12は約10.0μg摂取できます。これは食事摂取基準の1日目安量(成人男性7.5mg・月経のある成人女性10.5mg、ビタミンB12は成人で2.4μg)と比べても大きな割合を占めます。
納豆1パック(約45g)では鉄約1.5mg・葉酸約59μgを摂取できます。しじみを使った味噌汁1杯(可食部の目安10g程度)でも鉄約1.5mg・ビタミンB12約8.2μgが摂れる計算になり、少量でも効率よく鉄・ビタミンB12を補える食品といえます。
レバーは鉄・ビタミンB12に加えビタミンAも多く含むため、妊娠中の方や毎日大量に食べ続けることは避け、週1〜2回程度を目安に取り入れるのが無難とされています。
脂肪肝改善には体重管理が有効とされ、体重の5〜10%の減量で肝臓の脂肪蓄積量が改善する場合があると報告されています。急激な断食・超低カロリーダイエットはかえって肝臓に負担がかかることがあるため、1週間に0.5kg程度のゆるやかな減量が推奨されています。
果糖(フルクトース)の摂り過ぎを控えることも脂肪肝予防のポイントです。清涼飲料水・果汁ジュース・菓子類を減らし、飲み物を水・お茶・無糖コーヒーに置き換えるだけでも、肝臓にかかる果糖の負荷を減らせます。
食物繊維・発酵食品を十分に摂ることで腸内環境が整い、腸から肝臓への負担軽減につながるとされています。ご飯に麦を混ぜる、味噌汁や納豆を毎日の食卓に取り入れる、野菜を毎食1品追加するといった習慣が、肝臓の健康維持にもつながります。
肝臓の健康を保つには、鉄・ビタミンB12を含む食品をバランスよく取り入れつつ、果糖・アルコール・過剰カロリーを控えることが基本です。数値はあくまで食事摂取基準に基づく目安であり、健康診断で異常が見つかった場合は医師に相談してください。
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※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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