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成長期の栄養

離乳食後期〜幼児食の鉄・カルシウムはどう足りる?1食分の目安をQ&Aで

この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。

「離乳食後期になって鉄が足りないと言われた」「牛乳は1日どれくらい飲ませていいの?」——生後9か月ごろは、おなかの中でもらった貯蔵鉄がちょうど尽きる時期で、母乳・育児用ミルクだけでは鉄が追いつかなくなります。食事摂取基準(2020年版)の鉄の推奨量は6〜11か月で男児5.0mg・女児4.5mg、1〜2歳で男女とも4.5mg。この記事では、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の実測値をもとに、子どもが実際に食べられる10g・20gという量で鉄とカルシウムがどれだけ積み上がるのかを数値で示します。

含有量の全順位は 鉄が多い食品 TOP100 で確認できます。

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離乳食後期に鉄が足りなくなるのはなぜ?

赤ちゃんは出生時に、母体から受け取った貯蔵鉄を肝臓に持っています。この貯蔵鉄が生後6か月ごろから減り始め、9か月前後で使い切られます。母乳の鉄は100mLあたり0.04mg程度と少ないため、この時期以降は食事から鉄を摂る必要が出てきます。「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」が離乳食後期に赤身魚・肉・レバーを勧めているのはこのためです。

難しいのは、必要量が体の小ささに比例しないことです。1〜2歳の鉄の推奨量4.5mgは、成人男性7.5mgの6割にあたります。体重が10kg前後、1回に食べられる量が大人の4分の1程度しかない子どもが、成人の6割の鉄を摂らなければならない——つまり「同じ量を食べるなら、大人より鉄の濃い食品を選ぶ」必要があるということです。

もう一つの壁が吸収率です。肉・魚に含まれるヘム鉄は15〜25%吸収されますが、野菜・豆・穀類の非ヘム鉄は2〜5%にとどまります。ほうれんそうやきな粉の数値が高く見えても、実際に体に入る量は肉・魚より少なくなります。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収が上がるので、いも・野菜・果物を組み合わせるのが現実的な対策になります。

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1食分で鉄が積み上がる食品:10g・20gあたりの実数値

離乳食後期の1回量はレバーなら5〜10g、赤身魚なら15g程度が目安です。この量で鉄がどれだけ摂れるかを成分表の値から換算すると、鶏レバー10gで0.9mg、豚レバー10gで1.3mg。1〜2歳の推奨量4.5mgに対して、レバー10gだけで2〜3割を占めます。鉄の濃さが桁違いなので、少量でも効くのがレバーの特徴です。

卵黄も使いやすい鉄源です。卵黄1個(約17g)で鉄0.82mg・カルシウム24mg・亜鉛0.61mgと、鉄と亜鉛を同時に補えます。全卵1個(可食部50g)なら鉄0.75mg・たんぱく質6.1gです。豆製品では凍り豆腐(高野豆腐)1枚16.5gが鉄1.24mg・カルシウム104mgで、すりおろして煮ればそのまま離乳食に使えます。

一方、量あたりの数値が高くても1食分では効きにくい食品もあります。きな粉は100gあたり鉄8.0mgですが、離乳食で使うのは小さじ1(約2g)——鉄は0.16mgで、推奨量の3〜4%にすぎません。「鉄が多い食品」としてよく挙がる食材でも、1回に使える量まで落とすと貢献度は大きく変わります。

離乳食後期〜幼児食で使いやすい鉄源(可食部100gあたり/日本食品標準成分表 八訂 増補2023年)

  • 鶏レバー(生)鉄9.0mg/亜鉛3.3mg/100kcal。10gで鉄0.9mg。ビタミンA 14,000μgRAEのため頻度は週1〜2回に
  • 豚レバー(生)鉄13.0mg/亜鉛6.9mg。10gで鉄1.3mgと最も効率がよい鉄源
  • 鶏卵 卵黄(生)鉄4.8mg/カルシウム140mg/亜鉛3.6mg。卵黄1個(17g)で鉄0.82mg
  • 凍り豆腐(乾)鉄7.5mg/カルシウム630mg/たんぱく質50.5g。1枚16.5gで鉄1.24mg・カルシウム104mg
  • まいわし(水煮)鉄2.3mg/カルシウム82mg/食塩相当量0.2g。30gで鉄0.69mg

カルシウムは1日どれだけ?牛乳・ヨーグルト・小魚の1食分換算

カルシウムの基準は6〜11か月で目安量250mg、1〜2歳で推奨量450mg(男児)・400mg(女児)、3〜5歳で600mg・550mgです。1歳を過ぎて母乳・ミルクの量が減ると、ここが一気に埋まりにくくなります。

1食分に落とすと、普通牛乳100mL(約103g)でカルシウム113mg、ヨーグルト(全脂無糖)80gで96mg。1〜2歳なら牛乳コップ1杯とヨーグルト1個で推奨量の約半分に届きます。乳製品が苦手な場合は、木綿豆腐50gで47mg、こまつな(ゆで)20gで30mg、釜揚げしらす10gで19mgと、少量ずつ積み上げる形になります。

小魚は「濃いが塩も濃い」点に注意が必要です。しらす干し(微乾燥品)はカルシウム280mgですが食塩相当量4.2g/100g——大さじ1(5g)でカルシウム14mgに対し食塩0.21gが付いてきます。1〜2歳の食塩相当量の目標量は1日3.0g未満なので、湯通しして塩を抜くか、釜揚げしらす(食塩2.1g/100g)を選ぶほうが無理がありません。

レバーの与えすぎ・牛乳の飲ませすぎ——量の注意点

レバーで気をつけるのはビタミンAです。鶏レバーは100gあたり14,000μgRAE、豚レバーは13,000μgRAE。10gでも1,300〜1,400μgRAEになり、1〜2歳の耐容上限量600μgRAE/日を毎日続ければ超えます。ビタミンAは脂溶性で体に蓄積するため、レバーは「少量を週1〜2回」に留め、鉄の残りは赤身魚・卵黄・豆製品で分散させるのが安全です。

牛乳は1歳未満には飲用として与えません。たんぱく質・ミネラルの負荷が大きく、鉄が乳児用ミルクの何十分の一しかないため、鉄欠乏を招くことが知られています(普通牛乳の鉄は100gあたり0.02mg)。1歳以降も1日400mL程度までを目安にし、飲みすぎで食事が入らなくなる「牛乳貧血」を避けます。カルシウムは摂れても鉄は増えない、という組み合わせの偏りがここでは不利に働きます。

実際に1日でどこまで満たせるかは、食べた食品とグラム数を入れて本サイトの栄養計算で確認できます。鉄・カルシウム・亜鉛のように「量は少ないのに必要量が大きい」栄養素は、感覚ではなく充足率で見たほうが判断を誤りません。

まとめ

離乳食後期は貯蔵鉄が尽きる時期で、鉄は「濃い食品を少量」で積み上げるのが基本です。レバー10gで鉄0.9〜1.3mg、卵黄1個で0.82mg、凍り豆腐1枚で1.24mg。カルシウムは牛乳100mLで113mgが軸になります。レバーのビタミンAと牛乳の量だけは上限を意識してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 離乳食後期の鉄は1日どれくらい必要ですか?
食事摂取基準(2020年版)の推奨量は6〜11か月で男児5.0mg・女児4.5mg、1〜2歳で男女とも4.5mgです。1食分では鶏レバー10gで0.9mg、豚レバー10gで1.3mg、卵黄1個(17g)で0.82mg、凍り豆腐1枚(16.5g)で1.24mg。肉・魚のヘム鉄は吸収率15〜25%、豆・野菜の非ヘム鉄は2〜5%と差があるため、数値だけでなく食品の種類も合わせて考えます。
Q. レバーは毎日与えても大丈夫ですか?
毎日は勧められません。鶏レバーはビタミンAが100gあたり14,000μgRAEあり、10gでも1,400μgRAEになります。1〜2歳の耐容上限量は600μgRAE/日なので、少量でも連日だと超えてしまいます。週1〜2回・1回5〜10gに留め、残りの鉄は赤身魚・卵黄・凍り豆腐などで分けて補うのが現実的です。
Q. 牛乳は1歳から1日どれくらいまで飲ませていいですか?
1歳未満は飲用として与えず、1歳以降も1日400mL程度までが目安です。普通牛乳はカルシウム110mg/100gと優秀ですが鉄は0.02mg/100gしかなく、飲みすぎると食事量が減って鉄欠乏(牛乳貧血)につながります。カルシウムは牛乳100mLで113mg、ヨーグルト80gで96mgと計算できるので、乳製品以外の食品と分けて確保しましょう。

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※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。

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