日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。疾患の診断・治療・薬の調整などは必ず医師・管理栄養士にご相談ください。
骨粗鬆症は骨密度が低下し骨折しやすくなる疾患で、日本では1,300万人以上が罹患していると推定されています。その予防の柱は「カルシウムの摂取」「ビタミンDの摂取」「適度な運動」の3つです。カルシウムは体内の99%が骨・歯に蓄えられ、残り1%が神経伝達・筋肉収縮に使われています。1日の推奨量(成人男性750mg、女性650mg)に対し、日本人の平均摂取量は約500mgと慢性的に不足しています。この記事では、日本食品標準成分表(八訂)のデータを活用して、効率よくカルシウムを摂取する方法を解説します。
食品に含まれるカルシウムはすべてが体内に吸収されるわけではありません。吸収率は食品の種類によって大きく異なります。牛乳・乳製品のカルシウムは乳糖・カゼインの助けにより吸収率が約40%と高く、魚(小魚・丸ごと食べる魚)は約33%、野菜・豆類は15〜20%程度です。
吸収率を上げるために最も重要なのがビタミンDです。ビタミンDはカルシウムの腸管吸収を促進するホルモン様物質で、不足するとどれだけカルシウムを摂っても吸収されにくくなります。日光浴(皮膚でビタミンDを合成)と食事からのビタミンD(サーモン・サバ・卵黄・きのこ)を合わせて意識することが重要です。
一方でカルシウムの吸収を妨げる要因もあります。食塩の過剰摂取・過剰なリン摂取(加工食品・清涼飲料に多い)はカルシウムの排泄を増やします。また極端な欠食・低体重のダイエットは骨密度低下を招きます。
牛乳以外にもカルシウムを豊富に含む食品はたくさんあります。乳製品が苦手な方・乳糖不耐症の方も多様な食品から補えます。
可食部100gあたりのカルシウム含有量が多い代表的な食品
骨密度が最も増加するのは10〜20代の成長期です。この時期に十分なカルシウムを摂取して「骨の貯蓄」を最大化しておくことが、将来の骨粗鬆症リスクを低下させる最善の方法です。成長期の推奨量は成人よりやや多い(日本人の食事摂取基準2020年版)。
女性の更年期以降(50〜60代)は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急減し、骨からのカルシウム溶出が加速します。この時期から骨密度の低下が急速に進むため、カルシウム・ビタミンD・タンパク質の積極的な摂取と、ウォーキングなどの荷重運動が骨粗鬆症予防に有効です。
男性も60代以降に骨密度が低下し始めます。男性の骨粗鬆症は見落とされがちですが、高齢になると骨折による寝たきりリスクが女性と同様に高まります。年齢を問わず、日常の食事でカルシウム・ビタミンDを意識することが大切です。
カルシウムは牛乳だけでなく、小松菜・豆腐・小魚・海藻など多様な食品から摂れます。吸収率を高めるために日光浴やビタミンD含有食品と合わせて取り入れましょう。骨密度の測定は骨粗鬆症の早期発見に有効で、特に更年期以降の女性は定期的な検査をおすすめします。
※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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