日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。疾患の診断・治療・薬の調整などは必ず医師・管理栄養士にご相談ください。
「免疫力を上げる食品」というフレーズはよく目にしますが、実際に免疫機能を支える栄養素は複数あり、特定の食品だけで「免疫力が上がる」わけではありません。とはいえ、亜鉛・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンA・セレンなど、免疫細胞の生産・機能維持に直接関わる栄養素は確かに存在します。この記事では特に亜鉛とビタミンCに焦点を当て、それらを効率よく摂るための食品選びを解説します。
亜鉛は200種類以上の酵素の構成要素であり、T細胞・B細胞・NK細胞など免疫細胞の生産・機能維持に不可欠です。亜鉛が不足すると胸腺が萎縮してT細胞の産生が低下し、感染症への抵抗力が下がります。また亜鉛は味覚・嗅覚の維持にも重要で、コロナウイルス感染後の味覚・嗅覚障害との関連も注目されています。
日本人の食事摂取基準2020年版では成人男性1日11mg、女性8mgの推奨量が設定されています。亜鉛は植物性食品に含まれるフィチン酸によって吸収が阻害されるため、動物性食品から摂る方が吸収率が高くなります。特に牡蠣は100gあたり13mgと群を抜いて多く、亜鉛の最良の食品源です。
ビタミンCは水溶性の抗酸化ビタミンで、活性酸素を除去して細胞を酸化ストレスから守ります。コラーゲン合成(皮膚・血管・骨の材料)・鉄の吸収促進・インターフェロン産生(抗ウイルス作用)にも関与します。
ビタミンCは体内で合成できないため食事から摂る必要があり、1日100mgの推奨量が設けられています(日本人の食事摂取基準2020年版)。体内貯蔵量が少なく過剰分は尿に排出されるため、毎日の食事で継続的に摂ることが重要です。
ビタミンCは熱に弱く、長時間の加熱・水さらしで失われます。新鮮な野菜・果物をできるだけ生か短時間加熱で食べること、水にさらす時間を短くすることが摂取量を最大化するコツです。
亜鉛とビタミンCを効率よく摂れる代表的な食品をご紹介します。
亜鉛・ビタミンCそれぞれの含有量が多い代表的な食品
免疫機能は単一の栄養素で決まるものではなく、全体的な栄養バランス・腸内環境・十分な睡眠・適度な運動・ストレス管理が組み合わさって機能します。「これを食べれば免疫が上がる」という魔法の食品はなく、特定の食品に偏らないバランスのよい食事が基本です。
腸は全免疫細胞の約70%が存在する「最大の免疫臓器」とも呼ばれます。食物繊維・発酵食品(ヨーグルト・味噌・納豆・漬物)で腸内環境を整えることが免疫機能の維持に欠かせません。
慢性的なビタミン・ミネラルの不足は免疫機能を低下させます。偏った食事・過度なダイエット・欠食が続く場合は、栄養バランスを見直すことが先決です。風邪をひきやすい・体力がないと感じる方は、亜鉛・ビタミンC・ビタミンDの摂取量を食事記録で確認してみてください。
亜鉛は牡蠣・牛赤身肉・貝類・豆類から、ビタミンCは赤ピーマン・ブロッコリー・キウイ・柑橘類から効率よく摂取できます。毎日の食事でこれらの食品を意識して取り入れることが、免疫機能を支える基盤となります。
※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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