この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。
高齢者の低栄養(フレイル予防)は、噛む力・飲み込む力の低下によって肉や硬い食材を避けがちになり、たんぱく質の摂取量が不足することが大きな要因です。食事摂取基準(2020年版)でも65歳以上のたんぱく質推奨量は成人と同じ男性60g・女性50gに設定されていますが、実際の摂取量は加齢とともに減少する傾向があります。この記事では日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の実測データをもとに、噛む力が弱くても食べやすく高たんぱくな食品をランキング形式で紹介し、1食あたりの目安量とあわせて解説します。
加齢に伴い噛む力・唾液の分泌・消化吸収能力が低下し、硬い肉や繊維質の多い野菜を避けるようになると、食事量そのものが減ってたんぱく質・エネルギー不足(低栄養)に陥りやすくなります。低栄養は筋力低下(サルコペニア)や転倒・骨折リスク、免疫力低下につながるため、早期の食事対策が重要です。
対策の基本は「やわらかく調理された高たんぱく食品」を毎食取り入れることです。豆腐・卵・魚・乳製品は加熱・調理の工夫なしでもやわらかく、噛む力や飲み込む力が弱くても食べやすい食品群です。
厚生労働省の食事摂取基準(2020年版)では65歳以上のたんぱく質推奨量を男性60g・女性50gとしており、成人期とほぼ同水準の摂取が必要です。1回の食事量が減りがちな高齢者ほど、少量で効率よくたんぱく質を摂れる食品選びが重要になります。
豆腐は加熱不要でそのまま食べられ、消化にも優しい代表的な高齢者向け食品です。木綿豆腐は可食部100gあたりたんぱく質7.0g・73kcal、絹ごし豆腐は5.3g・56kcalで、絹ごしのほうがよりなめらかで飲み込みやすいのが特徴です。半丁(約150g)食べれば木綿で約10.5gのたんぱく質が摂れます。
卵は完全栄養食品と呼ばれるほど栄養バランスに優れ、ゆで卵にすればさらに調理せずそのまま食べられます。全卵ゆでは100gあたりたんぱく質12.5g・134kcal。卵1個(約50g)に換算すると約6.3gのたんぱく質を手軽に摂取できます。
納豆はひきわりにすればさらに噛みやすくなり、100gあたりたんぱく質16.5g・184kcalと大豆製品の中でも高たんぱくです。1パック(約45g)で約7.4gのたんぱく質に加え、骨の健康に関わるビタミンK・カルシウム91mg(100gあたり)も同時に摂れます。
白身魚のまだら(生)は身がやわらかくクセが少なく、蒸す・煮るなどの調理で誤嚥のリスクを抑えやすい魚です。100gあたりたんぱく質17.6g・72kcalと低脂質・高たんぱくで、切り身1切れ(約80g)で約14.1gのたんぱく質が摂れます。
はんぺんは魚肉のすり身を蒸して作られるため、魚そのものより格段にやわらかく、そのままでも噛みやすい食品です。100gあたりたんぱく質9.9g・93kcalで、汁物に入れるだけで手軽にたんぱく質を追加できます。
乳製品ではヨーグルト(脱脂加糖)が100gあたりたんぱく質4.3g・カルシウム120mg・65kcal。牛乳は100gあたりたんぱく質3.3g・カルシウム110mgで、飲み込みやすく間食としても取り入れやすい食品です。1食のたんぱく質量は少なめですが、豆腐や卵と組み合わせることでカルシウムの上乗せができます。
やわらかく高たんぱくな魚・練り製品・乳製品(可食部100gあたり)
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3食それぞれに「やわらかい高たんぱく食品」を1品ずつ加えるのが現実的な目標です。朝食に卵1個(約6.3g)、昼食に豆腐半丁(約10.5g)、夕食にまだら1切れ(約14.1g)を組み合わせるだけで、主菜由来のたんぱく質約31gが確保でき、推奨量(男性60g・女性50g)の半分以上をカバーできます。
噛む力がさらに弱い方は、絹ごし豆腐・卵・はんぺんのように舌でつぶせる硬さの食品を優先し、まだらなどの魚は蒸す・とろみをつけるといった調理の工夫で誤嚥リスクを下げましょう。乳製品はカルシウム源としても優秀なため、骨の健康維持を兼ねて間食に取り入れるのもおすすめです。
食欲そのものが低下している場合は、無理に量を増やすより「1品を高たんぱく食品に置き換える」ほうが続けやすい対策です。乳製品の食品一覧は 乳類の食品一覧 、たんぱく質が多い食品全体は たんぱく質が多い食品ランキング もあわせて確認してみてください。
高齢者の低栄養予防には、噛む力や飲み込む力が弱くても食べやすい豆腐・卵・魚・乳製品を毎食1品ずつ取り入れることが有効です。無理なく続けられる食品選びで、たんぱく質不足によるフレイルリスクを防ぎましょう。
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※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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