日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
この記事は食品の栄養素に関する一般的な情報提供を目的としており、医療上のアドバイスではありません。記事中の内容は特定の症状・疾患の診断・治療・予防を保証するものではなく、効果には個人差があります。体の不調・疾患の診断・薬や栄養補助食品の使用については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。
ビタミンB12はコバルトを含む水溶性ビタミンで、神経髄鞘(ミエリン)の維持・DNA合成・赤血球の産生に不可欠です。葉酸とともに働き、B12が不足すると大型の未成熟な赤血球が増える「巨赤芽球性貧血」が起こります。また神経へのダメージ(末梢神経障害・脊髄障害)を引き起こし、認知機能低下との関連も報告されています。B12は動物性食品にのみ含まれるため、ベジタリアン・ビーガン・完全な植物性食品を続ける方は補充が必須です。
B12の不足は徐々に進行し、体内貯蔵量が枯渇するまで(数ヶ月〜数年)症状が現れにくいのが特徴です。初期症状は疲れやすさ・脱力感・口内炎・舌の炎症(赤く光沢のある舌)です。進行すると手足のしびれ・感覚異常・歩行障害・記憶力の低下・抑うつなど神経症状が現れます。
高齢者はB12の吸収に必要な「内因子」(胃壁細胞から分泌)の産生が低下するため、B12不足に陥りやすい傾向があります。また萎縮性胃炎・胃切除後の方・メトホルミン(糖尿病治療薬)を長期服用している方もリスクが高まります。
ベジタリアン・ビーガンの方は植物性食品からB12を摂ることが難しいため、サプリメントまたはB12強化食品の活用について医師・管理栄養士に相談することをおすすめします。
ビタミンB12は動物性食品にのみ含まれます。特に貝類・レバー・魚介類に豊富です。
可食部100gあたりのビタミンB12含有量が多い代表的な食品
ビタミンB12は葉酸と協力してホモシステイン(アミノ酸の一種)をメチオニンに変換します。B12または葉酸が不足するとホモシステインが血中に蓄積し、動脈硬化・心血管疾患・脳卒中のリスクが高まるとされています。
B12と葉酸の組み合わせはDNA合成と細胞分裂にも必須です。どちらか一方だけ補っても十分な効果が得られないことがあり、特に妊娠計画中・妊娠中の女性は両方の十分な摂取が重要です。
高齢者でB12欠乏による認知機能低下が疑われる場合、B12補充により症状が改善することがあります。ただし認知機能の問題はさまざまな原因があるため、自己判断せず医師への相談が必要です。
ビタミンB12は貝類(しじみ・あさり)・レバー・魚介類に豊富で、これらを週数回食べる習慣で必要量を補えます。ベジタリアン・ビーガンの方はB12不足を防ぐためにサプリメントまたはB12強化食品の活用が重要です。高齢者・胃疾患をお持ちの方は定期的な血液検査でB12レベルを確認することをおすすめします。
※ 栄養素データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」に基づきます。医療・栄養指導など専門的な用途には、必ず管理栄養士・医師にご確認ください。
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